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もう終わった破壊的テクノロジーのおはなし(3) [Tech]

つづき
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CDプレイヤーはレーザー光線をディスクにあてて、反射した光から信号を読み取る。光を反射させているのが、ディスクの中にあるアルミニウム反射層。CDが銀色に輝いて見えるのは、このアルミニウムの銀色。

CD登場時から懸念されていた問題として、アルミウム層が酸化すると透明になってしまい、信号が読めなくなってしまうことがあった。このため、CDの寿命を20年程度とする見方もあったが、製造業側の雰囲気としては、「アルミ層に達する傷でもつかなきゃ大丈夫じゃね?」というかんじであった。本当にまずいと思ったら、酸化して透明にならない反射素材にするはずである。

し、か、し
数十年たって、経年変化によるディスクのアルミ層酸化、結構見えてきた。
80年代のUK盤が特に顕著。ディスク外周のエッジから酸素が侵入して「ひび」状にアルミ層が透明になってたり、ピンホールが成長して1mm程度の穴になってたり。酷いもんです。それでも辛うじて再生はできているものの、酸化が成長してエラー訂正の限界を超えると、音飛びやノイズになってしまうはず。やっぱりCDの寿命20年説は正しかったのか....

手持ちの CDが輸入盤ばかりなので、日本盤の経年劣化状況がどうなのか、なんともいえませんが、あのきっちりした日本盤の品質からして、アルミ層を酸化させない対策もとってあるとは思いたい。

もしも日本盤のCDが無事であるならば、自分が日本のレコード会社だったら一大輸入盤ネガティヴキャンペーンを張るところだ。「20年で捨てますか?一生聴きますか?」とか。こういうキャンペーンが聞こえてこないということは、日本盤もダメなのかなあ。

買った音楽ディスクが、たかだか20年ぐらいで読めなくなってしまったら、集団訴訟ものだと思うのだけど、CDの音楽メディアとしての寿命はもう終了してしまった。ほぼ時を同じくしてディスクが劣化によって読めなくなるなんて、なんという破壊的というか自爆的テクノロジー。究極のソニータイマーだったのかな。みなさん手持ちのCDは読めるうちにリッピングして時々メディア書き換えしましょう。そしてCDを買うのはやめましょう。それが一番安全です。
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コメント / Comment 4

熊谷

もうリッピングしったら数年かかる状態だよ~~80年台のCD山だしなぁ。
でも、今の所酷いのは見当たらない、、、と思う。全て確認してないからわからんけど、、
本当に破壊開始してる??
by 熊谷 (2012-12-18 16:24) 

dokin

酸化で穴あきになってたのは、割合としては100枚に1枚ぐらいかなあ。数年前に500枚ぐらいのリッピングを完了したんだけど、その時に発見。
特に社会問題になってる風でもないので、日本盤はもっと確率が低いのかもしれない。
by dokin (2012-12-18 16:59) 

熊谷

酸化穴あきってどんな感じに見えるの??
1/100かぁ、、、てか500枚もリッピングしたの(・・)
気が遠くなる、、、、輸入盤やばいかぁ、、、

by 熊谷 (2012-12-19 10:50) 

dokin

ディスクによっていろいろなんだけど、スポット的にメッキが剥がれるかんじ。透明になって後がみえます。ディスクを光にかざしてみるとわかりやすいよ。輸入盤はピンホール(反射層にある小さい穴)がそもそもいっぱいあるけどね。

手持ちのCDは全部リッピングしたんだよ。地道な作業だった...
by dokin (2012-12-19 16:28) 

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